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2008年08月01日

野党議員有志が矢野氏を招聘 「話を聞く会」に72名の国会議員

矢野氏が語った学会・公明党の関係
そこには政教一致の実態が赤裸々に

提訴の経緯を沈着に語った矢野氏
自らが関わった裏工作≠ノも言及

 本紙(六月一日号)既報のように、去る五月一日に創価学会を脱会し、同十二日に学会などを相手取って損害賠償請求訴訟を起こしている元公明党委員長・矢野絢也氏は、六月十三日、野党国会議員有志の招きに応じ、衆議院第一議員会館内で開かれた「矢野絢也さんより話を聞く会」に出席。創価学会を提訴するに至った経緯を語り、また参加議員の質問に答えて、いわゆる政教一致問題などについて語った。
 この日の矢野氏は、言葉を丁寧(ていねい)に選びながら提訴に至った心境を語り、また、民主党を中心とした野党議員の鋭い質問に答えた。その話術は巧妙で、さらりと聞き流すと、あたかも学会擁護(ようご)のようにすら聞こえるが、その言葉をしっかり辿(たど)っていくと、創価学会と公明党との支配・被支配の関係や、公明党が必死になって、池田創価学会の尻ぬぐい≠してきたことを、公然と語っているのである。
 まずは、提訴に至る経緯(けいい)に関し、元公明党議員らによって持ち去られた手帳について語った中では、
 「この手帳は、私の在職中の、国会議員としての他党の方々とのやりとり、あるいは裏話、あるいは学会にいろいろな問題があった――言論出版妨害事件もあった、共産党との創共協定もあった、会長の女性問題云々という『月刊ペン』事件問題もあった、二度にわたる税調の査察もあった、ルノアールの絵画疑惑もあった、総本山との二回にわたる争いもあった、一億七千万円金庫事件もあった、そういうことの処理≠烽オてきたので、そういうことも書いてある」
と、さりげなく矢野氏が関わった裏工作≠ノ言及。
 また、自身に対する尾行・監視について
 「身元不詳≠ニ、あえて申し上げますが、尾行・監視が私に対して三年間、ほぼ毎日といっていいと思いますが。これではたまらないということで調査機関に頼み、調査した結果、被疑者は全部分かっています。こういうことをいつまでも放置するわけにはいかないので、いずれ時を見て」
と、創価学会による謀略(ぼうりゃく)行為の実態を暴(あば)く時限爆弾≠フ存在も、それとなく示唆(しさ)した。

学会を守るための政治権力
無料の選対本部≠セった会館

 さらに質疑応答では、まず質問の口火を切った民主党・前田勇吉氏が、「公明党と宗教団体である創価学会の関係は政教一致というべきなのか」と問うと、矢野氏は、
 「政教一致や分離については、その概念(がいねん)の定義が前提として必要だと思います。
 公明党や学会の諸君が強調しておることは、内閣法制局の見解で、戦中・戦前のことを教訓にして、国家権力が宗教を利用するというのが政教一致であると。おおむねそういう意味の見解です。宗教が政治を利用する、という問題についてはあまり言及しません。
 しかし、私はその見解はいささか時代に合っていないと思います。御存知のとおり、いろいろなテロ活動にしても、世界的に宗教が政治を揺さぶっている。宗教側からの政治への介入、これが政教一致になるのか、ならないのか、もっと議論されるべきだと、私は思っています。(略)
 例えば、労働団体が政党を支援し、労働者の基本的人権や労働権利を守ることはよくあることで、別に悪いことではない。宗教団体が政党を支持して、教義を押しつけるわけではないが、利害や組織防衛をその政党に期待し、かつ政治権力に影響を及ぼす、これは程度の問題ではないかと思います。
 公明党書記長としての私は、創価学会の意を受けて、いろいろな問題を処理してまいりました。あまり言うとお前はけしからんヤツだ≠ニ叱(しか)られそうですが、あまり大きな声では言えないようなことを私はしてきました。
 それは、学会を守らねばならないという大きな目的が当時はあったし、真剣にそう思ってやってきました。
 やった本人が言ったら世話はないと思いますが、今となってはやり過ぎじゃなかったかなと。(略)
 まあ、政教一致か、分離かという問題は、概念的な問題を含みますが、選挙時における学会の会館の使用、選挙期間中、常時、非課税の宗教施設が選挙活動の拠点になる、集会所になる、電話を使う、そういったことについて、少なくとも私の時代には、それについての対価を払ったということはございません。まあ、議員個人が、陣中見舞いの一部を、夜食代などの活動費として支払ったことはあるかも知れませんが。
 非課税で運営されている宗教団体の施設を二十四時間態勢で使用し、さらに運動してくれた方々の日当、電話代、会場使用料もかからない、こういったことが政教一致になるかは、今後議論すべき問題です。」
 矢野氏の語り口にトゲはない。サラリと聞き流せば、学会を擁護しているかにも聞こえるほどだ。
 だが、一語一語を吟味(ぎんみ)していくと、学会・公明党の政教一致の実態について、痛烈な問題提起をしていることに気がつくだろう。
 矢野氏は他にも、口調こそ柔らかいが、辛辣(しんらつ)なことを数々口にした。以下、それを拾い上げてみよう。

池田大作への「P献金」の正体と実態
「経理処理は学会に聞いてくれ」

 「竹入・矢野時代、池田名誉会長のお誕生日、あるいは創価学会の記念日などにお祝いを持っていこうじゃないかと。あるいは選挙で当選した、そのお礼をしようではないかと。全国会議員の時も、中央執行委員だけの時もありました。それに対して(池田から)『ありがとう』といった連絡をいただいたこともあります。
 これは勘違いされては困るんですが、法律的にどうであるかは別としまして、党としては本当に感謝の気持ちで、純粋に感謝の気持ちで、一人三万・五万・十万と。
 それが学会本部としての収入になっているのか、あるいは、(池田の)個人の収入として、きちっと納税の手続きを取っておられるのか……。学会本部が全て収入として処理されているなら、これは何の問題もないことです。我々は、宗教団体に対するお礼の気持ちでしたことですし。お持ちした時には報告書もちゃんと書いて。それに『ありがとう』とか『○』を、御本人が書いていらっしゃるわけですね。その会計処理については創価学会に聞いてもらうしかしょうがない。こちらとしては気持ちはハッキリしている。個人にお持ちしている気持ちです。こちらの気持ちはハッキリしている。しかし、学会本部の経理として受け入れていれば、これは。こちらの気持ちは『池田先生』だけれども、学会の経理として適正に処理している、ということかも。これは学会に聞いてもらうよりしょうがない。」(「P献金」についての質問に答えて)

本部周辺に「静穏地帯」多い理由
公明党を街宣活動阻止に利用

 「消費税国会の頃、当時、ソ連大使館周辺で街宣活動が盛んに行なわれ、政府でも大使館に対する街頭宣伝の規制をすることになった。それに乗っかる形で国会周辺も、と。それで今度は私の方から、政党本部周辺も規制しようと持ちかけました。それで規制する法律ができました。
 あとは規制の範囲をどうするかですが、それは政令で決まる。そこで、公明党本部を中心に、聖教新聞社のあたりまで測りまして、そこが入るように。(笑い)
 なぜそういうことをしたかというと、その当時、創価学会本部に対しても、毎日のように街宣車が来て、聞くに堪(た)えないような街宣活動が続いており、『何とかしろ』と言われていたのです。
 そう言われても、当時は宗教施設の周りでの街宣活動を規制する法律がない。そこで政党本部周辺、ということで。
 その後、新進党時代に、『公明』に残った参議院議員が新進党の候補として立候補する、と表明したことがありまして、私は内心えらいことを言うなあ≠ニ思いました。全て新進党で立候補してしまったら(『公明』の)国会議員がゼロになって、政党本部がなくなる。そうすると(学会本部は)街宣規制の対象外となってしまう。自民党の有力政治家が、私と学会首脳にそんなことになれば街頭宣伝が派手に行なわれるぞ≠ニいう、そうとう強いブラフ≠ェあり、それが全ての理由ではありませんが、『公明』の代表であった藤井富雄君が、新進党ではなく、『公明』から(候補者を)出すと表明した。
 それ以外の要因もあったとは思いますが、学会本部への街頭宣伝をさせたくない、と。そのためには政治の論理だけでは動けないと。『公明』の非改選議員は、次の選挙では新進党から出馬しなければならない、当時の代表もそう発言していたのが逆転したのは、じつはそういう背景もあった、ということになるわけでして。」(「学会本部周辺に静穏地帯の看板が多いのはなぜか」という質問に答えて)

まだまだある学会・公明党の裏話
矢野氏が全てを語った時、学会は!?

 「公明党は、学会員さん以外の党員はほとんどいらっしゃらない。党の推進力は学会員さんになるわけです。で、それも永年錬磨(れんま)された組織運営、それは昭和三十年代から磨きに磨かれた、本当に見事なもので、どこのボタンをどう押せばどう動くかと。対立候補へも的確≠ネ対応を取っていると。(笑い)
 裏選対というのがありまして、これは、じつに見事なくらいに熟練したスタッフが、広宣活動から遊説計画、会合のセッティングまで全てやってくださって、私もたいへんお世話になった一人ですが。」(「謀略的¢I挙活動」についての質問に答えて)
 「万全の体制で尾行を行なっています。(笑い)
 私が、家から三〜四分で表通りに出ると、もうそこに来ています。ということは、どこかで我が家を監視していて、何人が出入りしたか、矢野が家を出たか。班が決まっていまして、顔なじみになってしまいましてね。(笑い)
 身の危険、例えば地下鉄のホームで後ろに立つんですが、ポンと背中を押されないかとか、見覚えのあるナンバーの車にいきなり急ブレーキをかけられるとか。たしかに身の危険は感じています。そういうことも踏まえて、今回提訴いたしました。」(「訴状にもある監視・尾行の実態」についての質問に答えて)
 「反対する勢力もあると思いますが、仮に『参考人』だ『証人』だと、お決めいただくことがあれば、喜んで出させていただきます。」(「国会喚問の要請があれば応じるか」との質問に答えて)
 「私の在職中のことではありますが、(学会員や創大出身の)弁護士、司法関係者、公務員、芸能人などの、きちっとした名簿は管理していました。今はもっと整備されているかも知れませんが。(笑い)
 そういう人をコントロールする≠ニいう強い意志は、私の時代にはあまり感じませんでした。しかしその中で、将来有望だ≠ニか信仰に熱心だ≠ニかいうランク付け≠ヘ行なわれていました。
 閣僚ポストに関しては、宗教法人創価学会の所管が東京都であった時に都議会が非常に大事であったのと同じように、組織防衛的に重要だと思えるポジションには強い関心を持っている、ということが言えると思います。」(「学会員官僚」についての質問に答えて)
 いかがであろうか。これらの矢野氏の発言によって、創価学会と公明党との関係、学会の体質、学会が目指す方向性――等が浮かび上がってくるではないか。
 現時点では、まだまだ言葉を選んで発言している矢野氏が、歯に衣(きぬ)着せぬ発言をするようになった時、池田大作・創価学会はまさに、恐怖のどん底に突き落とされるかもしれない。
【慧妙・372号より転載】