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2008年11月05日
政教一致を質されあたふたする連立政権
臨時国会で学会・公明の実態が爼上に
かつては政教一致追及の急先鋒だった自民党
学会の政教一致を問われて知らぬ存ぜぬ
緊迫した状況が続く第一七〇回臨時国会で、政治と宗教に関し、民主党が政府への攻勢を強めている。
十月十五日の参議院予算委員会では、石井一民主党副代表が質問に立ち、麻生総理らに鋭い質問を突きつけた――。
「会館は選対事務所、会合は非常識」
学会・党の実態に切り込んだ民主党
十月十五日の参議院予算委員会。この日は民主党副代表の石井一議員が質問に立った。
その中で石井議員は、政治と宗教の問題に言及。公明党と創価学会との政教一致について、学会の施設が選挙運動の拠点として使われていることを指摘し、これに対する政府の見解を質(ただ)した。
石井議員 「創価学会の、いわゆる宗教施設、全国でいくつあるんですか。その使用状況を掌握(しょうあく)しておりますか。また、監督官庁の文化庁は、その使用内容について、存じておりますか。(略)
この宗教施設、私の調査では約一千ヶ所ある。すごい御殿のようなところですよ。皆さんの選挙区見たって皆あるでしょう。民主党の本部なんていったら、もう哀れなもんや。しかも借家や。
(学会の施設は)一千ヶ所ある。これが選挙になったらね。まさに選挙マシーンと化すわけですよ。二十四時間態勢、仮設電話は引かれる、そこから出ておるということになれば、宗教活動は停止、選挙態勢に入る。この実態をどう思いますか。官房長官、いかがですか。」
河村内閣官房長官 「それぞれの選挙において公明党の幹部の皆さんと共闘したことはございますけれども、今ご指摘のようなことについては、私は存じておりません。」
こうしたやりとりになることは、石井議員も想定内≠セったのだろう。石井議員は、
「それ以上追及してもお気の毒だと思いますから申し上げませんけれどね、宗教施設は特別な税法上の優遇措置を受けてね、建設されており、宗教のために使われることなんですよ。」
「しかし、実態がこういうことになってくるとね、これは逸脱(いつだつ)したものですよ。その施設(※に対する優遇措置)を、場合によっては取り消さねばいかん」
と指摘した上で、論点を変え、今度は麻生首相に対して、さらに鋭い質問を重ねたが、しかし、麻生総理との論戦もまた、最後まで議論がかみ合うことなく終わった。
だが、創価学会施設の利用実態や、選挙活動の実際について知らぬ存ぜぬ≠ナ通すことは、過去の自民党の主張と明らかに相違する。なぜなら、自民党は過去において、再三再四、創価学会に関する様々な疑惑を追及してきたからだ。
かつての自民党は学会・公明党を追及
詳細な調査資料を基に政教一致≠糺す
例(たと)えば次の質問は、平成五年十月二十八日に行なわれた、衆議院・政治改革に関する調査特別委員会での、武部勤・元自民党幹事長のもの。
「今創価学会は創価学会なりにやっている、だからこれはボランティアだとおっしゃっておられますけれども、ここにある資料を、時間があれば少しまた突っ込んでお話しますけれども、例えば会館の電話やファクスが選挙専用で使われている。これは、いかにボランティアであっても、かなり膨大(ぼうだい)な負担になると思うんですね。選挙のため、また支援のため会員に作戦や日程の資料が配られる。紙代やコピー代も相当なものだろうと思うのです。
これはなぜ私がお話しするかというと、ここに細かいこと(※学会から流出した選挙対策資料を紹介)、全部読んだら大変ですよ、これ。
これはもう事前、例えば、投票日告示前から都議会選挙重点区情勢、目黒区、渋谷区、ずっとこう、それぞれの情勢分析をしているのですね。それから転入者、転出者まで追跡をする。不在者投票についても書いていますし、青年の駅頭の集会から、相当綿密(めんみつ)に、これが単なるボランティアとは我々の理解では考えにくい資料があるわけですよ。
事前ポスター、現地到着日六月二十六日、テープ六月二十四日、はがきからイメージポスターから法定ビラから、もう枚数から何から、えらいきめ細かくやっているのです。それが各地の会館で行なわれている。
日程から何から、どこで勤行会だとかゴールド勝利隊だとか、我々もそれぞれ選挙のときにはいろいろな部隊をつくってやりますけれども、私は、このことはまさに裏選対と言って何だろうかな、こう思うのです。したがって、当然この創価学会の建物を、あるいは電話を、コピーを、創価学会の許可なしに個々のボランティアではやれないのではないか。このことについていま一度御答弁いただきたいと思いますが、対価を払ったり創価学会の許可なしにそういうようなことが行ない得るのかどうか、本当にボランティアとしての考え方で限定できるのかどうか、私は疑問に思っているわけでありますが、これは組織が許可し、組織の施設を使い、建物、電話、ファクス、コピーなどの経費をあなたの党は正当な対価を払っておられるかどうか、お聞きします。」
この質問を見れば、自民党はかねてから、かなり詳細な資料を基(もと)に、創価学会の会館の利用状況を把握(はあく)していたことが明確である。
多数の自民党議員が政教一致問題を追及
そのうち十名は今も自民党の国会議員
また次は、平成六年十月十一日に開かれた衆議院・予算委員会での、川崎次郎議員の質問。
「昨年の三月から今日まで一年半、その間に予算委員会、政治改革特別委員会、この両委員会だけで十八人の代議士が、また参議院の方が立たれ、政治と宗教の問題、政教分離の問題、また脱講運動、盗聴事件、税の問題等について質疑を重ねられております。」
この後、川崎議員は十八名の議員の名前を挙(あ)げたが、そのうちの十六名が、当時自民党に籍を置いていた議員であった。
さらに、平成七年以降に学会問題について質問した衆・参両院議員を加えると、自民党には現在、十名もの、創価学会問題に重大な関心を寄せる現役議員がいる。それらの議員に確認すれば、公明党・創価学会の実態を知ることができるのに、それをあえてしないのは、自民党が公明党をかばい立てしているためであろう。
「教義実現・政権獲得を目指せば違憲」
自民党の果敢な主張は、いったい何処へ
数ある自民党議員の質問の中でも興味深いのは、平成八年四月二十四日に開かれた、参議院・予算委員会での、久世公堯議員の質問。
「私ども自民党といたしましては、この前、宗教法人法が可決をされましてからワーキングチームをつくりまして、(略)宗教団体がどこまで政治にかかわり合いを持てるかという議論をやったわけでございます。
そのだいたいの結果によりますと、政治参加は構わない、しかしながら政治支配というのは憲法に違反をする、憲法に抵触するおそれがある、こういう結論に達したわけでございます。
政治参加と申しますのは、例えば宗教団体の役員や宗教団体の信者が個人として政治活動を行なったり、あるいは宗教団体が政治団体をつくって政治活動や選挙運動をやっておる、これは政治参加である。
それに対して、例えば宗教団体の信者が特定候補者の応援のために、選挙期間中ほとんど朝から晩まで宗教団体の施設を専(もっぱ)ら使用する、こういうこととか、あるいは宗教団体が教義を実現する目的を持って政党をつくるとか、あるいは宗教団体が結成した政党によって政権を獲得、樹立するとか、さらには宗教団体の実力者がその結成した政党から選出された議員を国務大臣に推薦(すいせん)するとか、あるいはまた宗教団体と事実上一体の政党が、議会で多数派を占めたりキャスチングボートを握(にぎ)ることによって、政権を意のままにする、こういうのが政治支配であると。政治参加は構わないけれども政治支配は許されない、こういう結論に達したわけでございます」
と明言。さらに、従前の憲法解釈に囚(とら)われがちな内閣法制局に対し、
「憲法解釈というのは、先ほども申しましたように、社会の実態、国民生活の実態、国民と宗教との関わり合い、非常に変わってきております。昭和二十年代、三十年代と様変わりでございます。また、宗教団体の行なっているところの宗教活動、政治活動、政治運動、これもよく調べて、解釈というものを考えていかなきゃいけないと思うわけでございます」
と喝破(かっぱ)しているのである。
しかれば、それから十年以上も経(た)つ今日、自民党が「個々の宗教施設については、それが何に使われているかは承知をしておりません」「今ご指摘のようなことについては、私は存じておりません」などと答弁しているのは、故意にトボケているとしか思えない。
あげくの果て、自民党の総裁であり、政府の最高責任者である麻生総理までが、のらりくらりと石井議員の追及をかわし続けるとは、何ともふざけた話ではないか。
石井議員は、
「この問題に関しては、矢野絢也、そして福本潤一、竹入義勝、そして、場合によっては池田大作名誉会長先生にもおいでいただいて、十分意見を交換する必要がある」
として、政治と宗教の集中審議を要求した。
この際、自民党も公明党も腹をくくり、潔(いさぎよ)く池田らの参考人招致を受け容(い)れて、政治と宗教の集中審議を行ない、永年の懸案(けんあん)である「政教一致」問題に決着をつけるべきだろう。
【慧妙 平成20年11月1日号 より転載】