時局レポート



5・7波田地事件裁
口頭弁論の顛末
大草講頭を尋問するはずが
学会弁護団、袋叩きに

  五月七日(火)午後一時三十分から、東京地裁で「波田地(はたち)事件裁判」の口頭弁論があり、それに大草講頭が証人として出廷した。
  この裁判は、「梅沢裁判」で妙観講潰(つぶ)しに失敗している学会が、性懲(しょうこ)りもなく元信徒の渡邊茂夫と結託し、「学会幹部の波田地克利宅を妙観講が盗聴した」などという、根も葉もない事件をデッチ上げて、波田地を原告に、大草講頭・小川御住職そして日顕上人猊下を訴えたもの。
  前回・前々回の証人尋問には渡邊が学会側の証人として出廷したが、その際、渡邊は口を滑(すべ)らせ、提訴するにあたって波田地と事前謀議(ぼうぎ)をしていたことを認める発言をするなど、随所で馬脚を露(あらわ)し、自らの証言を破綻させた。
  渡邊尋問によって、この訴訟は学会側の謀略であることが、より鮮明になったが、今回の大草講頭に対する尋問では、ゴマカシやスリカエを連発する学会側弁護団が、証人である大草講頭から手厳しく切り返されて、ほとんど袋叩きにされる、という有り様となったのである。
  副会長の福島啓充弁護士以下五名の弁護団で臨んだ学会側からの反対尋問は、開始直後から、異様な展開を見せた。
  まず、先に提出してある陳述書との齟齬(そご)を導き出そうとしたのか、学会側は、渡邊が行状不良の故に講中で「活動停止処分」を受けた時のことを、主観や邪推を交えて執拗(しつよう)に尋問した。だが、当然、大草講頭の側に、答えに困るような不都合は何もない。講頭は、落ち着き払い、事実の上から小気味良いほど理路整然と返答していった。
  たとえば、学会側弁護士が、「あなたは、活動停止処分になっていた渡邊の報告を信じたのですか」と、あたかも、痛い所を突いてやったと言わんばかりの、高飛車な態度で質問をした時であった。それに対し、講頭は、間髪入れず、 「何を言ってるんですか。すべてがすべて、全部嘘だらけだというなら、除名にしていますよ。一分の更生の余地もなくて、一切信用できないんであれば。それに、その日は渡邊だけでなくて、江島班長も一緒だった。二人の報告が一致していたから用いたんです」 と、切って捨てたのである。
  学会側弁護士の愚問が鮮明にされ、傍聴席からも笑いが漏(も)れる。学会側弁護士は、いたく自尊心を傷つけられたらしく、オロオロした表情で、次の言葉がすぐには出ない、という有り様。
  以後も学会側は、形勢逆転を狙(ねら)ってあざといゴマカシの尋問を連発したが、それらをことごとく、講頭および宗門側弁護士に見抜かれ、逆に証人である講頭から鋭く切り返されて、絶句したり、質問を取り消したり、質問のやり直しをしたりして、そのたびに顔を真っ赤にしたり青くしたりと、とにかく惨澹(さんたん)たる状態に陥ったのである。 その中でも、ハイライト場面が幾度かあったので、簡潔に紹介すると―。
  学会側が、「録音テープの反訳文」の一箇所を示し、「『妙観』に、野崎副会長が宗門攻撃の総責任者だと書いたのは、盗聴テープの中に、この部分があったからだろう」と質問した時のこと。ちなみに、学会側が「電話盗聴」の最大の証拠にしているのが、その点なのである。
  それに対し、講頭は、 「その反訳文の数ページ前に、『こちらが野崎さんを地涌の中心者と断定したのはね』と、渡邊の側から切り出していますよ。私、陳述書にもそれは書きましたが、なぜ先生、それを落とされるんですか。渡邊の側から言ったんですよ。波田地の発言ではなくて」 と切り返した。狼狽する学会側弁護士。 あまりに見え透いた学会側の引っ掛け尋問と破綻、これには、場内、呆っ気にとられてしまった。
 

出さなきゃよかったのに…弾劾証拠

 また、学会側が、新たな書証を、その場で突然提出し、それに基づいて尋問をしようとした時のこと。「書証は事前に提出するように言ってあるはずです」と渋い顔をする裁判長を、学会側は「これは、弾劾(だんがい)証拠ですから」と言って押し切った。
  「弾劾証拠」といえば、普通は爆弾のような物である。ところが、学会側が持ち出したのは、小金井の旧本部に盗聴工作をされたことを報じた、十年以上も前の『妙観』紙……。
  学会側は、その記事から、重箱の隅を突っつくような尋問を始めたのであるが、講頭の明快な答弁にあい、自らの邪推に基づく仮説も粉々に打ち砕かれてしまった。
  しかし、「弾劾証拠」とまで言った手前、学会側もそのままでは引き下がれなかったのか、質問の趣(おもむ)きを変え、「本部が盗聴までされているのに、なぜ、警察に届けなかったのか」と。それに対し、講頭が「犯人を特定できなかったから」と答える。
  学会側は、そこでやめておけばよいものを、なおも、「あなたとしては、誰が犯人だと思ったか」と質問した。それに対し、講頭は、 「状況から見たら、創価学会が一番疑わしいな、と思いましたけれどもね。NTTぐるみの盗聴事件だとすれば、そのNTTまでも動かせるような組織といえば、まさか顕正会でもなければ正信会でもない。それはもう、創価学会しかないじゃないですか」 と、断じたのである。
  学会側弁護士は、顔色を失い、忘我の体(てい)で息を飲み込んでいたが、学会側が出した「弾劾証拠」とやらは、結果的に学会を弾劾することになってしまったのである。

「面白かった!」 ハタチ君のキャラクター

 さらに、傍聴席から大きな失笑が漏れたのは、『慧妙』紙掲載の漫画、『がんばれハタチ君』が取り上げられた時のことだった。
  学会側が、「『妙観』ばかりか、『慧妙』にまで、波田地氏を主人公にした漫画が、長期にわたって掲載されていた」と言って、「それほど妙観講は、波田地氏を目の敵にし、意識していたのではないか(だから波田地宅を盗聴したのではないか)」ともっていこうとしたとき、講頭は、半ば笑いながら、 「(主人公は)誰でもよかったんです、その名前は。
  要は創価学会の男子部がおかしなことを言っている、こんなおかしなことをした、ということを、漫画でそれを指摘した。
  その名前として、ちょうどキャラクターとして、ハタチくんというのはおもしろかったから使った。それだけのことですよ。フィクションですよ、漫画です」 「(波田地の何がおもしろかったか、というと)本人があまりに異常な発言をされたからですよ。『女を三人強姦(まわ)したような、良い気分だ』とか、おかしなことを、いつも言われているものですから、私共の内部では、これ本当におかしいぞ、ということで、いつも話題に上っていました」 と、受け流したのである。
  笑い声に包まれた傍聴席には、ハタチ君が夫人同伴で座っていたが、さぞかし、夫人も身の置き所がなかったのではあるまいか。
  かくして、「盗聴事件」なるものを破綻させたまま、講頭からも厳しく切り返されて、何らの逆展開も作り出せなかった学会側は、最後には、怪文書のネタ探しとしか思われないような、お門違いな尋問……たとえば、「『慧妙』のスタッフの名を言え」とか、「あなたの会社の年商は? あなた個人の年収は? 一ヶ月の生活費は?」などという質問を、ネチネチと繰り返した。
  それは、異常という以外になく、宗門側弁護士からも、 「それは、本件裁判と、どういう関係あるんですか!!」 と切り返され、さらには裁判長からもたしなめられて、学会側が質問を引っ込めてしまう場面もあったほど。
  最後は、講頭から、 「この内容を基(もと)に、後で怪文書でも作るのですか!?心配ですね」 と追撃され、 「質問を終わります」 と萎(しぼ)んでしまった学会側弁護団……。
 一様に意気消沈し、疲れきった表情からは、「もう、これ以上やりたくない」という、心中の悲鳴が聞こえてくるようであった。

ああはなりたくないものだ!

 二時間近くにも及ぶ学会側の反対尋問を終えて、意気軒昂(けんこう)の講頭は、
  「思いっきりお仕置してやったような気分だ」 と、スッキリした表情で感想を漏らし、傍聴していた妙観講々員の中からは、学会側弁護団のあまりに悲惨な姿に、
「あんなふうにはなりたくないと思った」
「どちらが尋問を受けているのか、わからないほどだった」
「まるで、講頭の折伏を見ているようだった。講頭が、学会側弁護士を完膚(かんぷ)無きまでに破折している、という感じだった」
「学会側の卑劣さに対し、大草講頭の答弁は、本当に筋が通っており、その中でも随所で、法門の道理に添(そ)った生き方、考え方を学ばせていただいた」 等々の声が。
  一方、終始、表情をこわばらせたままだった学会側傍聴者の一群は、一刻も早くその場を去りたい心境だったのか、次の予定を協議しているのに、すでに席から立ち上がり、閉廷の声を聞くや、そそくさと退室していったのである。

 
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